派遣の保険・福利厚生

好条件で働きたい!派遣スタッフが受けられる福利厚生を紹介

派遣スタッフとして働くうえで、「せっかくなら福利厚生がしっかりしている企業がいい!」とお考えになるのは至極当然のことです。
とはいえ、派遣スタッフのような非正規雇用であっても、正社員と同様に福利厚生が適用されるのかどうかは気になるところでしょう。

そこで本記事では、派遣スタッフにも適用される福利厚生の種類を紹介します。
派遣の仕事をしつつ、経済面と健康面で安心感を得たい方は、ぜひご一読ください。

派遣スタッフも福利厚生を受けられる?

派遣スタッフは、派遣会社と雇用契約を結ぶため、派遣会社が提供する福利厚生を受けることができます。

福利厚生には、“法定福利厚生”と“法定外福利厚生”があり、以前までは前者のみが派遣スタッフに適用されていました。
一方で、派遣会社の正社員はどちらの福利厚生も受けられるため、派遣スタッフとのあいだに待遇差があったわけです。

しかし、2021年4月から全企業で “同一労働同一賃金”が施行され、正規雇用者と非正規雇用者との不合理な待遇差を解消することが義務づけられました。
これによって、派遣スタッフも正社員と同様に、法定外福利厚生も受けられるようになったのです。

この法定福利厚生と法定外福利厚生については、次項で詳しく解説します。

福利厚生の種類

派遣スタッフも、派遣会社の正社員と同様に福利厚生が適用されることがおわかりいただけたでしょうか。

ここからはもう一歩踏み込んで、先述した2種類の福利厚生についてお伝えします。

法定福利厚生

企業が従業員を雇う際に、法律によって義務づけられているのが、“法定福利厚生”です。
派遣スタッフとして働く際には、雇用元である派遣会社が提供する法定福利厚生は確実に適用されるためご安心ください。

この法定福利厚生には、従業員が安心して就業できる環境を整える目的があります。
たとえば、健康保険や労災保険で怪我や病気に備えることができますし、失業や休業を余儀なくされる事態に陥っても雇用保険で失業手当や休業補償を受け取れます。

また、育児や介護といったライフステージごとの問題に直面しても、育児休暇や介護休暇が適用され、いずれは仕事への復帰が可能です。

法定外福利厚生

従業員のモチベーションや生産性の向上を目的として、企業が独自に設ける福利厚生を“法定外福利厚生”といいます。
派遣会社が提供する法定外福利厚生は、通勤手当や特別休暇などが一般的ですが、なかにはバースデー休暇や優待割引といった福利厚生を設けている場合もあります。

派遣スタッフの場合、基本的に派遣会社の法定外福利厚生の対象となるため、派遣先の制度は適用されないことがほとんどです。
ただし、派遣先が法定外福利厚生として提供している、業務に必要な教育訓練や社員食堂、休憩室などの福利厚生施設は利用可能です。

派遣スタッフが受けられる法定福利厚生の種類

福利厚生には2つの種類があり、それぞれ目的が異なる点は理解できたでしょうか。

ここからは、法定福利厚生の種類について深掘りしていきます。
派遣スタッフとして勤務する場合、健康保険や雇用保険などの社会保険のほか、有給休暇といった法定福利厚生についても知っておきたいものです。

以下で、詳しく見ていきましょう。

健康保険

健康保険とは、公務員や民間企業に勤める会社員が加入する公的医療保険のことです。
業務外で怪我をしたり、体調を崩したりして医療機関を受診する際に、その医療費の自己負担額を年齢や収入によって1~3割に抑えられます。

ただし、健康保険に加入するには、以下の条件を満たす必要があります。

健康保険の加入条件

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上である
  • 給与が月額8万8,000円以上である
  • 2か月以上働く予定がある
  • 学生ではない

派遣スタッフとして働くにあたり、上記の条件に該当するのかどうか不安な場合は、派遣会社に直接問い合わせてみましょう。

雇用保険

雇用保険は、失業した際の生活および雇用の安定と、再就職の促進のための公的な制度です。
主な給付としては、失業時の失業等給付がありますが、育児や介護で休業しなければならなくなった場合、条件を満たせば育児休業給付や介護休業給付なども受けられます。

つまり生活環境の変化によってやむを得ず失業、または休業した場合、経済的な支援を受けられるため、いざというときの助け船となるわけです。
雇用保険に加入するには、以下の条件を満たす必要があります。

雇用保険の加入条件

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上である
  • 31日以上働く予定がある

派遣会社と派遣契約を結ぶ際に、契約書に記載されている労働時間や期間が上記の条件を満たしているかどうかを確認しておくのが良策です。

厚生年金保険

日本の年金制度の一つである厚生年金保険とは、厚生年金保険の適用を受ける事業所で働く公務員や一般企業の会社員が加入する公的年金のことです。
65歳以上になれば受け取れる”老齢厚生年金”や、病気やケガで障害を負ってしまった際に受け取れる”障害厚生年金”などがあります。
そのほか、被保険者が亡くなった際に遺族が受け取れる、”遺族厚生年金”も含まれます。

このように、万が一働けなくなった際の備えとなる厚生年金保険ですが、これにも加入条件があるため、以下でご確認ください。

厚生年金保険の加入条件

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上である
  • 給与が月額8万8,000円以上である
  • 2か月以上働く予定がある
  • 学生ではない

上記の加入条件は、先述した健康保険と同じなので、あわせて覚えておくとよいでしょう。

労災保険

業務中や通勤中の負傷、あるいは業務に関連してなんらかの疾病を発症した場合などに、治療費や休業中の賃金補償を受けられるのが労災保険です。
また、これらが原因で障害が残った際には給付金が、万が一死亡した際には遺族へ年金が支給されます。

労災保険は、傷病を患った労働者の社会復帰の促進と、亡くなった労働者のご遺族の援助が最大の目的です。
労働者に寄り添った保険なので、従業員数や雇用期間、雇用形態にかかわらず、従業員を一人でも雇用している事業者は必ず加入することが義務づけられています。
そのため、有期の非正規雇用である派遣スタッフについても、万が一の際には労災保険が適用されます。

介護保険

介護保険とは、加齢に伴い身体に不調が表れて日常生活の支援が必要になった場合に、保険医療と福祉の両面から必要な費用を給付してもらえる保険のことです。
65歳以上で要支援・要介護状態となった方や、40~64歳で老化による病気が原因で同様の状態になった方が介護サービスを利用した際に、費用の一部を保障してもらえます。

派遣スタッフを含めた企業で働く従業員には、40歳を超えると介護保険への加入が義務づけられており、その際の加入条件はありません。

年次有給休暇

年次有給休暇とは、その名の通り、給与が発生する休暇のことを指します。
心身の回復と、ゆとりある私生活を送るために設けられており、以下の条件を満たせば派遣スタッフも有給休暇を取得することが可能です。

年次有給休暇を取得する条件

  • 派遣先企業に6か月以上勤務している
  • 全労働日の8割以上出勤している

上記の条件からわかるように、派遣スタッフは勤務開始から6か月が経過したタイミングで有給休暇が付与されます。
その際、まずは10日間の有給休暇が与えられ、勤続年数が長くなるにつれて付与される日数が増えていきます。6年6ヶ月以上続けて勤務すると、上限となる年20日の年次有給休暇が付与されます。

健康診断

派遣スタッフも年に1度、福利厚生の一環として健康診断を受けることが可能です。
これは、労働者の健康と安全を守るための法律である、労働安全衛生法によって義務づけられています。

ただし、派遣スタッフが健康診断を受ける際には、一定の条件を満たす必要があります。
この条件は法律で定められているわけではなく、各派遣会社によって異なるので、事前にご自身が所属する派遣会社に確認しておきましょう。

産休・育休

産休の場合、産前6週間以内(双子以上の場合は14週間以内)、産後8週間以内の休暇を取得できます。
また、育休を取得する場合は、原則として子どもが満1歳、あるいは必要と認められれば1歳6か月になるまで仕事を休むことが可能です。

産休・育休制度は、雇用形態にかかわらず、法律によってすべての労働者に認められています。

派遣スタッフが受けられる法定外福利厚生の種類

続いて、派遣会社が提供している法定外福利厚生の代表的なものを5つお伝えします。

なかには独特なサービスもありますので、以下の内容をぜひ参考にしてください。

各種手当

派遣スタッフが受け取れる主な各種手当としては、以下のような種類があります。

各種手当の例

  • 通勤手当
  • 住宅手当
  • 食事手当
  • 役職手当
  • 皆勤手当
  • 出張手当

上記のような手当を派遣会社が支給している場合は、派遣会社の正社員と同様に、派遣スタッフも受け取ることができます。

各種休暇

前項の各種手当と同様に、派遣スタッフであっても派遣会社が設定している休暇を所得することが可能です。
以下で、主な休暇制度をご確認ください。

派遣会社が設けている休暇制度の例

  • 慶弔休暇
  • 病気休暇
  • アニバーサリー休暇
  • リフレッシュ休暇
  • ボランティア休暇
  • 公務休暇

以上の休暇が福利厚生に含まれている場合は、事前に申請することで取得できますので、有効に活用したいところです。

寮完備

派遣会社によっては、福利厚生の一環として寮を完備しており、なかには無料もしくは格安の料金で部屋を提供している場合があります。
また、エアコンや冷蔵庫、洗濯機などの生活家電が一式そろっている寮であれば、引っ越しにかかる初期費用も抑えられるでしょう。

仕事と住居の両方を探している方にとっては、寮を完備している派遣会社が最適だといえます。

優待割引

一部の派遣会社では、福利厚生としてレジャー施設や映画館などを優待割引で利用できる場合があります。
派遣スタッフ本人だけではなく、そのご家族も利用できることがほとんどで、休日に家族と楽しく過ごせるようにと配慮されています。

優待割引で利用できるサービスを以下の表にまとめましたので、ご参照ください。

福利厚生で受けられる優待割引の例

ジャンル概要
グルメファストフード・ファミリーレストラン・宅配グルメなどで利用できるクーポンを提供
レジャー人気テーマパーク・遊園地・水族館などのレジャー施設を優待価格で利用可能
トラベル国内旅行・海外旅行を優待価格で提供
エンターテインメントカラオケや映画館で使えるチケットを優待価格で提供
ライフサービスハウスクリーニング・婚活サポート・英会話スクールなどを優待価格で利用可能

上記の表の内容は一例ですが、このような手厚い福利厚生があれば、働くためのモチベーションにつながるのではないでしょうか。

スキルアップ支援

派遣スタッフのスキルアップを支援する制度を、福利厚生の一つとして設けている派遣会社も存在します。
資格取得の勉強に用いる教材の購入費を補助してもらえるほか、受験費用も派遣会社が負担してくれるケースも珍しくありません。

そのほか、福利厚生とは若干異なりますが、正社員登用支援として、“紹介予定派遣”という派遣契約を行っている派遣会社もあります。
「将来は正社員として多くの業務に携わりたい!」とお考えの方は、このような派遣契約を結べる派遣会社を選ぶのがおすすめです。

また、派遣スタッフとして勤務するうちに、勤務態度が評価されて派遣先から正社員としてスカウトしてもらえることもあるでしょう。
その場合にも、スキルアップ支援や正社員登用支援を行っている派遣会社なら、派遣スタッフ一人ひとりの意向を優先してくれます。

福利厚生以外の制度

ここまで、派遣スタッフが受けられる福利厚生について解説しましたが、ご理解いただけたでしょうか。

続いては、派遣会社が福利厚生以外に設けている、独自の制度についてもお伝えします。

表彰制度

一部の派遣会社では、派遣スタッフへの感謝の気持ちを伝える機会として、表彰制度を設けています。
年に一度、その年の優秀スタッフを選考して、選ばれたスタッフには表彰状と副賞が渡されます。

このような制度によって、ご自身の努力が認められた際には大きな達成感を味わえますし、働くうえでのモチベーションにもつながるはずです。

紹介制度

派遣会社によっては、紹介制度を採用している場合があります。
紹介制度とは、派遣会社に知人を紹介することで、紹介者だけではなく、就業を開始した知人にもボーナスが支給される制度のことです。

知人を紹介するだけでお互いにボーナスを受け取れるのですから、紹介制度がある場合は積極的に利用するのがおすすめです。

よくある質問

最後に、派遣と福利厚生に関するよくある質問にお答えしていきます。

有給休暇はありますか?

派遣スタッフの場合、一定の条件を満たすことで有給休暇が付与されます。

詳しくは、本記事の“派遣スタッフが受けられる法定福利厚生の種類”のなかの、“年次有給休暇”の項で解説していますのでご確認ください。

通勤手当は支給されますか?

派遣スタッフにおいても、通勤手当は支給されます。

とはいえ、派遣会社によって通勤手当の支給上限額が規定されている場合があるので、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。

社会保険には加入できますか?

一定の条件を満たす派遣スタッフは、社会保険への加入が義務づけられています。

給与から保険料が徴収されることになるため手取り額は減りますが、医療費の自己負担額を抑えられるほか、万が一の労災にも備えられます。
正社員だけではなく、派遣スタッフも社会保険に加入して安心・安全に働けますのでご安心ください。

小さな子どもがいるとなかなか仕事を紹介してもらえないのでしょうか?

たとえ小さな子どもがいたとしても、問題なく派遣スタッフとして働くことができます。

派遣スタッフが希望する勤務地や勤務時間などの条件に対して、柔軟に対応可能な点が派遣のメリットでもあります。
子育て支援や育児休暇などの福利厚生が充実している派遣会社もあるので、子育てとの両立もきっと実現できるはずです。

派遣スタッフも正社員と同様にさまざまな福利厚生を受けられる!

今回は、派遣スタッフが受けられる福利厚生をお伝えしました。

非正規雇用の派遣スタッフでも、正社員と同様に福利厚生が適用されます。
同一労働同一賃金の施行を受けて、法定福利厚生だけではなく、派遣会社が独自に設ける法定外福利厚生も利用できるようになりました。

また、派遣会社によっては福利厚生以外のサービスも提供している場合があるため、この点も考慮して派遣会社を選ぶとよいでしょう。

福利厚生が充実している派遣会社をお探しであれば、ホットスタッフがおすすめです。
優待割引やスキルアップ支援を実施しているため、うまく活用することで理想のライフワークバランスを実現できます。

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