
「家族との時間を多く作りたい」「ライフスタイルに合った働き方をしたい」という理由から、派遣社員を希望する方も多いのではないでしょうか。
派遣社員の場合、比較的柔軟な働き方が可能ですが、どのくらいの給料がもらえるのか気になりますよね。
今回は、派遣社員の平均年収や給料を上げる方法を紹介します。
「仕事もプライベートも充実させたい」という方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
派遣社員の平均年収

厚生労働省の『令和4年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)』によると、2022年の派遣社員の平均賃金は、1日あたり(8時間換算)1万5,968円です。
1か月で20日間働くとすると、平均月収は31万9,360円程度、1年間で31万9,360円×12か月=383万2,320円程度の平均年収になります。
ただし、これは全職種の全国平均なので、職種や地域によって実際の賃金には差があります。
参照元:厚生労働省
正社員の平均年収

派遣社員の平均年収についてお伝えしましたが、正社員の平均年収と比べると、どれくらい差があるのでしょうか。
厚生労働省が公開した『令和4年賃金構造基本統計調査』によると、正社員の平均年収は、531万円程度という結果となっていました。
令和4年度においては、派遣社員と正社員との平均年収に、約148万円の差があることがわかります。
この差については、派遣社員と正社員との、責任の重さや業務内容の違いが反映されていると考えられます。
参照元:令和4年賃金構造基本統計調査
派遣社員に給料が支払われる仕組み
派遣社員の場合、給与は時給制が採用されているケースがほとんどであり、月給制が多い正社員とは給与形態が異なります。
時給制の派遣社員の給料は、“時給×1日あたりの労働時間×1か月あたりの労働日数=1か月の給料”として算出することが可能です。
そしてこの1か月分の給料に、各派遣会社によって定められた通勤手当のほか、残業した場合には残業手当が加わります。
このように派遣社員の場合、働く時間と給料の金額が直結するのが特徴です。
そのため派遣会社と面談する際は、どのくらいの給料を希望するのか、またそのためにはどの程度の時給が必要なのか、事前に想定しておくとよいでしょう。
また、派遣会社や派遣先によって給料日にばらつきがありますので、その点も覚えておきたいところです。
一般的には毎月25日や15日などに設定されていますが、なかには16日や24日といったケースも存在します。
これは、派遣社員の給料が派遣先からではなく、あいだに入っている派遣会社から振り込まれるためです。
派遣社員が働いた分の給料は、まず派遣先から派遣会社に支払われ、派遣会社が必要経費を差し引いてから、派遣社員に振り込まれます。
派遣会社によって、経費計算などの処理にかかる時間が異なるため、給料日にばらつきが生じてしまうというわけです。
派遣社員として働くメリット
ここまでの内容で、派遣社員の平均年収や給料が支払われる仕組みを確認してきました。
先述した通り、派遣社員は正社員と比べて給料が低い傾向にありますが、ではなぜ、それでも派遣社員を選ぶ人がいるのでしょうか。
そこには、派遣社員で働くメリットが存在しているからです。
以下では、そのメリットを3つ紹介します。
関連記事:派遣の働き方とは?正社員やアルバイトとは何が違う?
メリット①ライフスタイルに合わせて働ける
派遣社員として働けば、ご自身が望むワークライフバランスを実現しやすくなります。
派遣社員は、必ずしもフルタイムで働く必要はありません。
そのため、たとえば1週間に4日、あるいは1日6時間といった働き方を選ぶことで、副業や趣味、子育てなどに、より多くの時間を当てられます。
また派遣社員は、業務範囲が契約によって定められているうえ、業務内容も事前に吟味できるので、自分が興味のある仕事に就ける可能性もあります。
このように、柔軟な働き方が実現できる派遣社員は、「仕事もプライベートも充実させたい」という方にぴったりの雇用形態なのです。
メリット②派遣会社からサポートを受けられる
派遣会社から手厚いサポートを受けられるのも、派遣社員として働くメリットの一つです。
派遣会社は、派遣社員が働きやすい環境を作るために、仕事探しから就業中のサポート、さらにスキルアップ制度など、さまざまなサポート体制が整っています。
なかでも代表的な例が、資格取得支援です。
派遣会社によっては、派遣社員がスキルアップを目指して資格を取得した際、一時金や報奨金を支払ってもらえるケースがあります。
ご自身のスキルを高めながら、金銭をいただくことができれば、仕事へのモチベーションもより上がるでしょう。
ほかにも、ビジネスマナーやパソコンのスキルを学べる研修、また仕事に関する悩みを相談できる窓口を用意している派遣会社もあります。
メリット③人間関係の悩みが生まれにくい
派遣社員は基本的に、最長3年の有期雇用であるため、期間が満了すれば新しい職場に変わる必要があります。
それに伴い人間関係もリセットされますので、煩わしい人間関係に悩まされにくいのも派遣社員として働くメリットの一つです。
職場に波長が合わない人がいても、長い付き合いではないと割り切れば、心の負担も軽くなるでしょう。
派遣社員が給料を上げる方法
「派遣社員のメリットは嬉しいけれど、少しでも多く稼ぎたい」という方もいらっしゃるでしょう。
そんな方のために、ここからは派遣社員が給料を上げる方法をお伝えします。
専門的な知識やスキルを身につける
派遣社員が給料を上げるには、専門的な知識や技術を習得して、スキルを向上させることが不可欠です。
派遣先の業界に関する知識を身につけ、それに関連する資格を取得すれば、より難易度や専門性の高い業務を任せてもらえる可能性があります。
こうした高度なスキルが必要な業務には、時給が高く設定されているケースがほとんどです。
スキルアップの例としては、IT系の職種の場合は『基本情報技術者試験』や『ITパスポート試験』、経理であれば簿記の資格取得が挙げられます。
試験によっては、派遣会社からスキルアップのサポートを受けられることがありますので、登録している派遣会社の福利厚生をチェックしてみてください。
派遣会社の担当者に交渉する
「給料を上げてほしい」と、派遣会社に相談してみるのも一つの手段です。
派遣社員の賃金や労働条件は、派遣会社と派遣先との契約のもとに定められています。
そのため賃金の交渉をする際は、まず登録している派遣会社に相談し、派遣会社から派遣先に交渉してもらう、という流れになります。
ただしこの場合も、まずはご自身のスキルアップをしてから相談しましょう。
派遣会社の担当者は、“賃金を上げるに値する人材である”という交渉材料を用意してはじめて、派遣先に交渉することができます。
ご自身がもつスキルや成果を、資格証明書や具体的な数字で示せるように業務に取り組んだうえで、給料アップを目指すことが大切です。
派遣先を変える
派遣先を変えることも、給料を上げる方法の一つに挙げられます。
せっかくスキルアップしても、派遣先の事情により、なかなか時給を上げられない場合もあるでしょう。
そんなときは派遣会社に相談のうえ、現状よりも高い給料を得られる派遣先に変えることで、収入を上げられる可能性があります。
ただし、派遣先を頻繁に変えると、派遣会社との関係が悪化してしまうかもしれません。
何度も繰り返し変更することを、好意的に捉えない派遣会社も少なくありませんので、派遣先を変更する際は、契約更新や契約満了のタイミングに合わせるとよいでしょう。
派遣会社を変える
登録している派遣会社を変更することで、給料を上げられる可能性があります。
同じような業務内容でも、派遣会社によって、給料や福利厚生が異なるケースは珍しくありません。
そのため、以下のポイントに着目して派遣会社を選定し直し、収入アップを図るのもよいでしょう。
派遣会社を選ぶときにチェックしたいポイント
- 給料の水準が高いか
- 福利厚生が充実しているか
- スキルアップの支援制度があるか
- 人事評価制度が整っているか
- 希望職種の求人数が多いか
派遣会社によって、保有する求人数や職種、また福利厚生の充実度はさまざまです。
より多くの仕事を紹介することが可能で、かつスキルアップの支援制度が整っている派遣会社を選べば、時給アップにつながりやすくなります。
関連記事:派遣会社の選び方を解説!自分に合った派遣会社や雇用形態とは
都市部の仕事を探す
派遣社員で高収入を得るには、働くエリアの選定も重要です。
少し古いデータになりますが、日本人材派遣協会が発表した、平成30年度におけるエリア別の派遣社員の賃金を紹介します。
平成30年度 都道府県別 派遣社員の平均賃金
都道府県 | 派遣社員の平均賃金(1日8時間あたり) |
北海道 | 1万2,939円 |
宮城県 | 1万3,834円 |
東京都 | 1万7,989円 |
大阪府 | 1万5,341円 |
広島県 | 1万4,028円 |
福岡県 | 1万3,651円 |
いくつかの都道府県をランダムでピックアップしましたが、首都圏のほうが比較的高い賃金が支払われることがわかります。
この結果を参考に、できる限り多く稼ぎたい場合は、都市部に絞って派遣の仕事を探すとよいでしょう。
また都市部であれば、求人数が多く、選べる仕事の幅も広がるため、希望する条件に合った仕事を見つけやすくなるというメリットも得られます。
参照元:一般社団法人 日本人材派遣協会
『労働者派遣事業報告書の集計結果(労働者派遣事業・都道府県別)』
派遣社員の平均日給は1万5,968円!給料を上げるにはスキルアップが肝要
今回は、派遣社員の平均年収や給料を上げる方法を紹介しました。
2022年度の派遣社員の平均年収は383万2,320円程度であり、同年度の正社員の平均年収と比較すると、140万円ほど派遣社員のほうが低いという結果が出ています。
派遣社員が給料をあげるには、ご自身のスキルアップが欠かせません。
スキルアップを図り、より専門的で高度な業務を任せられる人材になれば、収入アップに近づくことができるでしょう。
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